だ・もんで「だ・もんで」 静岡弁で「だから」の意味
2022年4月号


日照時間が長くなり、冬から春への移ろいを実感します。春は「青陽」という異名の通り、晴れ晴れしいイメージがありますよね。
特にこの時期は卒業や異動、転居といった門出の季節ですので、お祝いの機会も多くなるかと思います。
今回は、そんな祝いの席には欠かせない「真鯛(まだい)」についてお届けします。

=春の「桜鯛」と秋の「紅葉鯛」=
真鯛は1年を通して市場に出回りますが、3〜6月の春と9〜11月の秋に旬を迎えます。
それぞれ「桜鯛」「紅葉鯛」といった呼び名で親しまれており、季節に因んだ呼称に日本らしさを感じますね。
由来は諸説ありますが、真鯛は初夏にかけて産卵期を迎えるため春になると雌の体はピンク色に色づき、雄の体には白い斑紋が現れます。
ちょうど桜の咲く時期と重なることから色や模様が桜の花弁のようだとされ、「桜鯛」と呼ばれるようになったそうです。
秋の「紅葉鯛」も同様で、夏から秋にかけて海老などの豊富な餌を食べて肥えた真鯛は、「桜鯛」以上に赤く染まります。
これを秋の風物詩である紅葉に準えて、「紅葉鯛」と呼ぶようになったとされています。

=めでたいだけじゃない! 栄養豊富な真鯛=
真鯛は白身魚ですがDHA・EPAが豊富で低脂肪高たんぱく、カリウムやビタミンB群を多く含む栄養価の高い食材です。
ビタミンB1:糖質の代謝、疲労回復
ビタミンB3:三大栄養素の代謝、アルコール分解作用
カリウム:血圧の調整
タウリン:コレステロール値の低下、肝機能向上
また、アレルギーの原因となるヒスタジンが少なく消化吸収が良いため、離乳食や介護食にもぴったりの食材といえます。

=真鯛をおいしくいただくには=
淡白でクセのない真鯛はどのように調理してもおいしくいただけます。
豊富な栄養素を効率的に摂取したい場合は、水溶性の栄養素を逃がさない鍋料理や汁物料理がおすすめです。
焼き魚のほくほくした食感がお好きな方には、あらだしを使った鯛めしなどはいかがでしょうか。
また、「桜鯛」は「紅葉鯛」と比べて脂分が控えめな傾向にあるので、味だけでなくその華やかな見た目も楽しめる姿造りにうってつけです。
そしてもっと手軽に真鯛を楽しみたい…、そんなときは切り身の出番!
煮込み料理のアクアパッツァであれば豊富な栄養を取りこぼさず、なおかつフライパンで作ることができるため一人暮らしの方にもおすすめです。

身近な食材とは言い難い真鯛ですが、味も見た目もまさしく「魚の王様」!
ぜひ、今が旬の真鯛をご堪能ください。







恵比須様 鯛めし 鯛
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