5.金利関係の規制強化
1.上限金利の引下げ(キャッシング・借入の利率が下がりました)
平成22年10月1日施行の法律により、出資法の上限金利が29.2%から20%に引き下げられました。
この結果、利息制限法の上限金利(10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)と出資法上限金利の間のグレーゾーン金利がなくなりました。
2.利息制限法超過利息の契約禁止(高利のキャッシング・借入契約の禁止)
法律の施行により利息制限法の上限金利を超える金利での貸付は無効で、行政処分の対象になります。
更に出資法上限金利を超える金利での貸付は、刑事罰の対象になります。
3.賠償額の予定の特則(キャッシング・借入延滞時の損害金の制限)
返済が遅れてしまった場合の延滞金利は年20%となりました。
4.みなし弁済廃止・みなし利息特則(キャッシング・借入の利息が分かりやすくなりました)
この法律の施行前は出資法上限金利(29.2%)と、利息制限法の上限金利との間にグレーゾーンといわれる金利帯がありました。旧貸金業規制法第43条では、貸金業者が、一定の約束を守った場合は、有効な利息の支払いがあったとみなす、という条項がありました。しかし改正貸金業法で、利息制限法の上限金利を超えた貸付は無効になったので、この特例がなくなりました。
5.保証料・仲介手数料の制限(キャッシング・借入の手数料は5%まで)
法改正の前は、借入の契約の時に保証料を求められることがありました。改正後は、5%と決められ、保証料を支払った場合は、借入金利の上限は、保証料を含めて利息制限法の上限金利を超えてはならないことになりました。したがって、5%の保証料を支払った場合は、借入金利は13%となりました。
6.複数契約の利息合算の特則(キャッシング・借入の利率について)
複数の借入の契約をした場合は、利息制限法の上限金利は、すべての借入金額を合計した金額で決まるようになりました。例えば、5万円を借りた場合は、上限金利は20%ですが、追加で10万円を借りたときは合計で15万円となりますので、上限金利は18%となります。